手足のシビレ
手足のシビレ
当院の治療効果であり鍼灸一般のものではありません。また、効果には個人差があります。
症例1
患者
50代 男性
来院
2016年12月
症状
来院の3日前から左腰と左膝付近が痛くなり、その後左膝周囲のシビレと痛みが強くなる。症状が出たその日に整形に行き診察を受けると膝の変形がある為症状が出ていると診断されヒアルロン酸を打つ。その際は楽になった感じがしたが膝周囲の痛みシビレは変わらない為、以前通院していた友人の紹介で当院に来院された。。来院時、安静時痛・運動時痛ともに症状が非常に強く、左大腿全面~膝に痛み痺れがあり、特に左膝周囲に症状が強い。安静時はどんな体勢でも症状がでる状態で辛い。歩行は何かにつかまらないと歩行ができず、松葉杖をついて来院された。階段の昇り降りは膝の力が入らずできない。車も自分で運転できないため奥さんの運転で来院された。
治療経過と内容
約1か月間、合計通院回数 10回
症状が強く仕事に行けない(仕事はほとんどデスクワーク)、早く仕事復帰したいとのことだったので、まずは座っている姿勢での症状改善を考えた。
座っている姿勢での症状は股関節が原因と考え、股関節を緩める為に左足に鍼をした。また、腰の痛みが出ている部分がはっきりしていたので、其の部分に対応する左手に鍼をした。施術したが腰の痛みは軽減したが、左下肢は若干痛みが軽くなったものの変化なし。
梨状筋を緩める為に腰に鍼をするプランに変更。すると、座位での左大腿~膝周囲の痛みシビレと安静時の痛みシビレは軽減したが、立ち上がり時・立位時の左大腿~膝周囲の痛みとシビレは変わらない。
症状は、一進一退をくりかえしたが、引き続き梨状筋を緩める施術を行い、腰に鍼をする事により左下肢の症状にもアプローチした。シビレは少しずつ軽減し、8診目には、シビレより痛みが目立ちはじめた。立ち上がり時、立位時の痛みも軽減し松葉杖無しでも歩行できる様になった。8診後、座位での痛みがほぼ無くなった為仕事に復帰された。
症状は落ち着いてきたが、イスから立ち上がる際の膝周囲の痛みと階段の昇り降り時に膝に力が入りにくい。
膝の軸と左下肢を調整する為に腰部に鍼をした。施術後は、立ち上がりの痛みは軽減し気にならなくなった。
膝周囲に違和感(シビレ的なもの)が残っている為か階段を降りる時に力が入りずらく手すりがないと怖い感じがする。
施術前に手すりを持ちながら左下肢で片足立ちになり屈伸をしてもらうと踏ん張れず途中で断念した。
左膝の軸・左下肢の神経と筋肉の調整を行う為に腰に鍼をした後、再び左下肢で片足立ちをしてもらうと屈伸をしても力が入り踏ん張れる様になった。少し不安があるが何とか大丈夫とのことだったので、日常生活で動く事によってどんどん回復も早まる事を伝え何かあればすぐに来院して頂く事をお願いし、終了とした。
同時に治療した症状
腰痛
効果があったツボ
腰海、膝根、気海兪、申脈、L2・L3(1)、T9・T10(1.5)
考察
約1カ月間、合計10回通院して頂いた訳だが、最初は効果が現れにくかったにも関わらず患者さんの仕事に復帰したいと言う強い意志と当院を信頼して頂いた事により、施術を続ける事ができた。仕事に復帰する為には、車で通勤できる事・イスに長時間座っていても大丈夫である状態がなる事が条件だった為、座位での症状を改善することを優先しておこなった事が良かったと思う。患者さんがまず何を望んでいらっしゃるのかを術者が敏感に感じとる事がとても重要だと感じた。